この記事に書いてあること
- GoogleアナリティクスのMeasurement Protocolのつかいかた
- Measurement Protocolの実装例(Node.js)
この記事のターゲット
- IoTデバイスをGoogleアナリティクスをつかってイベットトラッキングして、効果測定してみたい人
自己紹介
まずは、自己紹介がてら、今年IoTLTで発表させていただいた資料を紹介していきたいと思います。
天才になろうとしました
www.slideshare.net10月に IoT縛りの勉強会/LT会「失敗編」【増枠】@Microsoft - connpass でLTをさせていただいたときの資料です。
8月の失敗の反省から、音がなくても伝わるように動画にキャプションを足すことにしました。
そう。人は失敗を経て成長していくのです。
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と、普段はこんな感じのことをやっています。
LTでは毎回のように、
「IoTはインターネットにつながっているので、Googleアナリティクスとかでログを取るのが簡単なんですよ」
的な説明をさせていただいたものの、時間の関係で、具体的な方法までは紹介してきませんでした。
そこで本エントリーでは、
GoogleアナリティクスのMeasurement Protocolをつかった、IoTデバイスのイベントトラッキング方法
をご紹介したいと思います。
Googleアナリティクスとは
Google Analyticsは、Googleが提供するトラッキングサービスです。
基本的には無料でつかうことができるので、
ウェブページとかスマホアプリとかに組み込んでつかったことがある方は多いのではないでしょうか。
ウェブページでつかう際には、
<script async src="https://www.googletagmanager.com/gtag/js?id=UA-XXXXXXXX-X"></script>
<script>
window.dataLayer = window.dataLayer || [];
function gtag(){dataLayer.push(arguments);}
gtag('js', new Date());
gtag('config', 'UA-XXXXXXXX-X');
</script>
こんな感じのタグを埋め込むだけで、基本的なトラッキングをしてくれるので大変便利です。
さらに、ウェブページでイベントを計測したいと思ったら、
gtag("event", "アクション名", {"event_category": "カテゴリ名", "event_label": "ラベル名"});
タグを読み込んだ時点で、gtagというグローバル関数が宣言されているので、
という感じで、アクション、カテゴリ、ラベルをいい感じに引数に渡して実行すればOKです。
いい感じにイベントをトラッキングしてくれます。
かなりふわふわ系の説明なので、詳しく知りたい方は下記リンクを読んでみてください。
developers.google.com
IoTデバイスでのイベントトラッキング
上記の例のように、ウェブページではかなり簡単に設定でき、
なおかついい感じにトラッキングレポートをつくってくれるGoogleアナリティクスなので、
是非ともIoTデバイスの効果測定にもつかいたいところなのですが、
ウェブ版を組み込むためには、JavaScriptの実行環境とWindowが、
アプリ版を組み込むためにはSDKの組み込み(最近ではFirebaseアナリティクスをつかうことも多いらしいです)が必要となり、
IoTデバイスに組み込むのは、どうしてなかなか手軽にできる感じではありませんでした。
そこで個人的におすすめなのが、Measurement Protocolというわけです。
Measurement Protocolとは
HTTPリクエストでユーザーの利用状況に関する生データをGoogleアナリティクス サーバーに直接送信できる仕組みです。
developers.google.com
GETでもPOSTでもつかえるので、古くはメルマガの開封率を測定するのにつかわれていたようですね。
IoTデバイスはインターネットにはつながっているので、HTTPリクエストはできるはず。うってつけのインターフェイスといえるでしょう。
つかいかた
https://www.google-analytics.com/collect
こちらのURLをエンドポイントにし、アクション、カテゴリ、ラベルをパラメータに含めGETかPOSTでリクエストを送ります。
なので、
https://www.google-analytics.com/collect?v=1&t=event&tid=GoogleアナリティクスのID(UA-XXXXXXXX-X)&cid=デバイス識別子&ec=カテゴリ&ea=アクション&el=ラベル
という感じのリクエストを送れば、
gtag("event", "アクション名", {"event_category": "カテゴリ名", "event_label": "ラベル名"});
と、ほぼほぼ同等のトラッキングが可能です。
(Measurement ProtocolではUAとか画面サイズなど、gtagで自動でトラッキングしてくれる情報を取得したい場合は、自分でパラメータにつけないといけないので、厳密には同じ情報をトラッキングできてません)
やはり、かなりふわふわ系の説明なので、
パラメータなど詳細を確認したい場合は下記リンクをご確認ください。
https://developers.google.com/analytics/devguides/collection/protocol/v1/reference?hl=ja
実装例
Measurement Protocolがどんなものかわかったところで、
「マットマックス4DX with Yumake」を例に実装例を紹介します。
マットマックス4DX with YuMake
https://hacklog.jp/works/52458hacklog.jp
「マットマックス4DX with Yumake」は、振動で外の天気をつたえるハプティクスマットなのですが、
- 踏むと振動するマット
- 天気を取得する地域を設定するウェブサイト
の2つの要素で構成されており、
「天気を取得する地域を設定するウェブサイト」側のイベントは、
ウェブ用のGoogleアナリティクスで問題なくトラッキングできます。
Measurement Protocolを使うべきは、
「踏むと振動するマット」のイベントをトラッキングしたいときで、
踏まれるたびに、Measurement Protocolのエンドポイントに対してHTTPリクエストを送れば、
イベントをトラッキングできるわけです。
「マットマックス4DX with Yumake」のマットの内部にはNodeサーバが立っているので、
const request = require("request");
const url = requite("url");
const GA_ID = "UA-XXXXXXXX-X";
let deviceid = "";
class Logger {
static ga(deviceid, area) {
let param = {
v : 1,
t : "event",
tid : GA_ID,
cid : deviceid,
ec : area,
ea : "step",
ev : 1
},
options = {
uri : url.format({
protocol : "https:",
slashes : true,
host : "www.google-analytics.com",
pathname : "/collect",
query : param
}),
timeout: 1000
};
request.get(options);
}
}
module.exports = Logger;
というようなクラスをつくり、
Logger.ga("mat-0001", "13");
という感じでつかっています。
これで、どれぐらい踏まれたのかがまるわかりですね。^ ^
おわりに
IoTデバイスは課題を解決するためにつくられることが多いですが、
実際に課題が解決できたかどうかを測定するためにも、イベントトラッキングはとても重要だと思っています。
Measurement Protocolは、HTTPリクエストが使える環境(IoTであればつかえるはず)であれば、
驚くほど簡単に導入できるので、とてもおすすめです!
明日は、@wamisnetさんによるおもしろいエントリーです。
引き続きよろしくお願いいたします。